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玉那覇有公さんの工房を訪ねて

写真 2015-07-22 9 46 581琉球の紅型(びんがた)は染めに携わる人間でなくとも耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。琉球紅型は琉球王朝の王族の染めとして発展してきましたが、王府の廃止そして戦争により多くの型紙が焼失し、絶滅の危機を迎えるという苦難の歴史をもっています。『紅(びん)』は色、『型(がた)』は模様をあらわすように、南国独特の鮮やかな色使い、そして気品高き王朝の文様が特徴でもあります。

玉那覇有公 琉球紅型

玉那覇有公(たまなはゆうこう)さんの工房を訪ねたのは夏の日差しが一層あたりを鮮やかにする7月のころ。

沖縄のさすような日差しが、十数年前、大学生の私が自転車で野宿しながら沖縄本島を回った当時のことを呼び覚ますスイッチであるかのように、いろんな記憶がよみがえってきます。そういえば、いまだに大好物で食べているタコライスはこの時初めて食べて、あまりのおいしさに、沖縄に滞在中の3分の1はタコライス(コンビニのおにぎりなどタコライス風のものも含めて)を食べたという思い出が昨日のことのように思い出されます(すこし大袈裟かも)。

玉那覇有公 琉球紅型少し脱線しましたが、一つ言えることは、この南国の日差しと風土こそが沖縄の染織の独特の色彩感覚に影響を与えていることは間違いないということ。たまに訪れた私でさえ、本土では感じられないような感覚を覚えます。

玉那覇有公 琉球紅型 さて、玉那覇有公さんは言わずと知れた重要無形文化財『紅型』の保持者(人間国宝)。工房にはたくさんのお弟子さんが見えます。

 

玉那覇有公 琉球紅型紅型の製造工程は

図案→型彫り→型置き→豆引き→色挿し→隈取り→蒸し→水元→糊伏せ→地染め→蒸し→水元

玉那覇有公 琉球紅型

特に特徴的なのは、隈取りという色挿しの際に、挿した色よりも濃い色を筆で刷り込みながらぼかしていく工程。このぼかしによりより立体的な柄に出来上がっていきます。

玉那覇有公 琉球紅型今回工房を訪れた際に誂えてきた名古屋帯は伝統的なあでやかな赤、黄、青といった色使いとは少し違う印象ですが、抑え目の色使いの中に女性らしい華やかさが存在するモダンな紅型の名古屋帯。

間違いなく存在感のある帯回りを演出してくれること間違いなしです。

こちらの名古屋帯はかわちやオンラインショップにてご購入いただけます。

玉那覇有公さんの名古屋帯オンラインショップはこちら

 

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