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豊田市民芸館の郷土玩具展を見てきました

『民芸』という言葉を聞いて皆さんはどんなものを想像しますか?

田舎に旅行に行った時に売っている古臭いおみやげ物といったイメージをもって見える方も多いのではないでしょうか?

『民芸』とは、今から約100年前に柳宗悦(やなぎむねよし)を中心とし、陶芸家の河井寛次郎、濱田庄司らによって提唱された造語で民衆的工芸品を意味します。つまり、作家が作り出す逸品物の芸術品ではなく、名もない職人がつくりだす、実用的な日用品にこそ美があるという思想に基づいた言葉で、その品は、都市生活者に比べて生活感覚や様式が保守的で変化の乏しい土地に多く見られ、長い伝統にしたがった地域的な特徴を持ているものが多くみられます。

私が、この言葉を強く意識するようになったのは、地方の織物の産地を巡るようになってからです。各産地の紬はその土地に密着したまさに民芸であり、地域色が豊かな特徴を持っています。

全国にはそんな民芸を展示している場所がたくさんあります。代表的なのは、東京の駒場にある日本民芸館ですが、愛知県にも豊田市民芸館が存在します。

先日雨の日でしたが、訪れてきました。広大な敷地に、手入れが行き届いた庭があり、その中にいろいろな建物が点在しています。

第1民芸館

豊田市民芸館

第2民芸館

豊田市民芸館

第3民芸館

豊田市民芸館

お茶室


豊田市民芸館

現在、豊田市民芸館の第2民芸館にて9月24日まで郷土玩具展が開催されています。それぞれの県別に展示されていますので、いろいろな県を比べてみると面白いですよ。

豊田市民芸館

 

最後に民芸品つながりで、1点夏の織物をご紹介いたします。

能登上布

石川県の工芸品『能登上布』。柳宗悦先生の著書『手仕事の日本』で、

ごく細かい麻糸の織物で、夏の着物に悦ばれます。品のよい織物であります。しかし、上布としては、小千谷のものに席を譲らねばなりますまい。

と小千谷に劣っているような記述もありますが、そんなことはありませんよ。上質で存在感のある歴史の重みを感じる素敵な織物です。

こちらにも詳しく書いてありますので、もしよろしければ、読んでみて下さい。

 

山崎麻織物工房 能登上布

 

能登上布の里(山崎麻織物工房)を訪ねて

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